いつか晴れた日に―分別と多感

いつか晴れた日に―分別と多感

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ジェーン オースティン
キネマ旬報社
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書評見るとすごく人気ですね。
18世紀に書かれた小説で、何も働く必要のない上流階級の下の方の女性のお話です。
何事も自制し分別を忘れない冷静なエリナと常に熱情と感情に突き動かされる妹マリアンの恋と結婚のお話。
正直に言いましょう。女性向けの小説。それもセレブ（現代表現）の立場からお上品さを求め、その基準に合わないと、欠点として捕らえ、我慢できるとかできないとか、スノッブが鼻につきます。ただこの主人公のエリナは、スノッブな生き方をしているけれど、それでも自制の効いており相手を思いやる気持ちであふれている、やさしさを持ち合わせた理想の女性として描かれています。
ただ途中で出てくるルーシィに対する表現の辛らつさといい、他の登場人物も、かなりデフォルメというか象徴化されすぎている気もいたします。
でも話の本筋とはまったく関係がないのですが最後に勝利するのはルーシィーです。
いやーなずるがしこい庶民ですがその辺をうまく利用する、庶民の勝利です。
この辺は意識しているのかなぁ。
作者のジェーン・オースティンの作品は初めて読みましたがなぜこの小説を引っ張り出したのかその辺の話はまた次回（次の小説で）

鹿鼎記 7 故郷再び

鹿鼎記 7 故郷再び

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金 庸

徳間書店
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とうとうラス前の7巻目です。故郷に錦を飾るのとおりに大鑑さまになった主人公が故郷で母親に孝行します。
まぁそれにしても展開が毎度毎度二転三転どころか、七転八倒しまくります。
最後には、主人公の背後関係が皇帝に知られ・・・
ラストが楽しみです。

 

ランドックの刻印 (ハヤカワ文庫 JA ク 1-119 グイン・サーガ 119)

ランドックの刻印 (ハヤカワ文庫 JA ク 1-119 グイン・サーガ 119)

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栗本 薫
早川書房
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いよいよグインの記憶がよみがえります。
2つだけ。
一つ目、この方のSF表記部分は理系的な発想がないので、ちょっと噴出してしまう感じ。
なのでできれば、SF的な部分を排除して欲しいけど、お話が組み込まれているのでしょうがないが・・・
二つ目、あとがきで、健康面でやはり不安感があおられます。
最後まで書ききれるのか、不安＾＾；
以上

鹿鼎記 6 クレムリンの女帝

鹿鼎記 6 クレムリンの女帝

posted with amazlet on 08.03.27

金 庸 岡崎 由美 小島 瑞紀
徳間書店 (2004/01/26)
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鹿鼎記も残すところ、あとわずか。呉三桂の姦計からまた口八丁で痛快にやり込める主人公。
展開も速く、あっちにつきこっちにつき、解説するのも疲れるほどすばやい展開が続き、ついには神龍教からも追われる羽目に。命からがら逃げ出した主人公はようやくこの話の本流の鹿鼎山にまで来たところで、なぜかロシアの公女にスゴイ場面で出会う。中国人のロシア人観が透けて見えるような描写。
そしてそのままモスクワへ。北京へ。
まぁ話の展開のすごさに自然と口がほころんでしまいます。

天使の渇き

天使の渇き

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ミッシェル フェイバー Michel Faber 黒原 敏行
アーティストハウスパブリッシャーズ (2006/03)
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ついに読みきりました。
長かった・・・・この本でずーっと引っかかってました。
とにかくこの本はスゴイ。章立てもストーリーも久々に圧倒されました。
主人公のシュガーは、娼婦をしながらも、その生き様を、世間への恨みを自分の小説にしたため、やりきれない思いを開放している。そしてその内容は今で言うスプラッターな小説とでも言うのか、女性が、買春する男に復習していくストーリー。そんなシュガーが、ある日、ほぼ、勘当されたにちかいラッカムという化粧品会社の放蕩息子と出会う。ラッカムは、知的で未知なシュガーを天使と思い、彼女に再びあうことができるようになるために現実と向き合い勘当を解いてもらうべく努力するようになる。
そして、念願が適い、彼女を囲う。
囲われたシュガーは、そのラッカムの変わり身のすごさに圧倒され、惹かれてしまう。
そしてラッカムは惜しみなく物を与える。
そう、守るべきものを持たざるシュガーが持つシュガーになってしまう。
そしてそれは、更なる、知りたい、惹きつけたいとラッカムにどんどん吸い込まれていくことを意味する。
そして今まで意味のあるものは意味のないものに感じられ、とんがったパンクな部分は丸く削られていってしまう。そのほかにも、ラッカムにかかわる、いろんな人物もどんどん変化していきます。
シュガーも愛人である身分のまま、身を外においておければいいのだがその辺は若さなのかどんどんうちに入り込もうとするその辺から歯車がかみ合わなくなっていき、不協和音をかなで出す。
あぁこうなるだろうと思うように話が進行していくのが見ていられなくて、なかなか読み進めることができなかったのが実際のところです。
普通の単行本で4冊から5冊分の分量でとにかく読み応えがありました。、